アカエゾマツ

厳寒の中、かつてはピアノ響板に使える高品質でまっすぐな木が多く育っていた北海道オホーツク地方で、
もう一度国産の響板を使ったピアノづくりの実現を目指す、日本ならではのおとの森活動を展開しています。

アカエゾマツ Sakhalin Spruce

学名:Picea glehnii
北海道に古くから自生するトウヒ属の一種で、現在ではトドマツ、カラマツに次ぐ造林種としてオホーツク地域(北見市など)で広く人工林が存在します。近縁で樹形や材面が酷似するクロエゾマツ(Picea jezoensis)と比較して苗木の生育が良く、泥炭地や礫層など劣悪な環境であっても生育が可能であることから、造林が比較的容易であるとされています。老齢林分での平均樹高は30メートルを超えます。日本では2000年代初頭まで、天然林から出材する大径材がピアノ部品の材料として使われていた他、現在は人工林の間伐材を中心に先述のクロエゾマツと併せて「エゾマツ」として建材やパルプ材として流通しています。黄白色で年輪が整った材面は、現代の楽器材として最も認知度の高いヨーロッパスプルース(Picea abies)に勝るとも劣らない美しい外観で、軽く弾性率が高い特徴から音響部材として有用とされます。

ピアノ
ヤマハミュージッククラフト北海道(旧 北見木材株式会社)

ヤマハミュージッククラフト北海道(旧 北見木材株式会社)

北海道 滝上町にあるアカエゾマツ社有林

北海道 滝上町にあるアカエゾマツ社有林